● 北から南から ●

全国で活躍する同窓生からのメッセージ(敬称略)

横田 拓  (平成15年卒) 東京都文京区在住

東 京 の 学 生 寮

 
 

塾員旅行の1カット。
三浦半島のミカン園でミカン狩りを楽しみました。

 精義塾の生活、東京での学生生活、と一口に言ってもそれは人それぞれです。
そこでまず、精義塾の住む塾員の一日を例に挙げた上で具体的に紹介していこうと思います。

 次の文章は、早稲田の第二文学部に通う2年生の一日です(ところどころ、ふしだらだ!と思う点があるかもしれませんが目を瞑ってください…)。

 自分は大学生なのか、それとも精義塾に住むただの人間なのかという疑問をもたらすほどの長くて長い春休みを終えて、今日から授業が始まりました。昨晩の塾員会議の後、DVD鑑賞に多大な時間を費やしてしまい、寝たのは午前四時。相部屋の人間は、朝早く起きて晴れ着を身にまとって入学式に出かけていってしまい、僕はと言えば、ギリギリまで布団の中で大学生活一年間とこれからの人生のことについてぼんやり考えていました。

夏恒例のバーベキュー大会にて。
寮の庭でワイワイガヤガヤ、楽しく盛り上がります。

 大学に辿り着けたのはいいのですが、どの建物のどの教室で授業があるのかがハッキリしません。やはり朝は早く起きたほうが良いということを再確認しました。いろいろな優しい人のヘルプのおかげで時間までに教室に辿り着くことが出来、安心して二限の授業を受けることが出来ました。

 その後、ブランチをがっちり食べに行きつけのお店に入り、カレーライスを食べて、マスターとトークに花を咲かせました。そこまでは良かったのですが、鞄の中にもポケットの中にも財布が見当たらないのです。でも僕とマスターはとっても仲良し。「また今度でいいよ。」と。

 難なくブランチを終え、今度は大学の図書館に直行。ここには多大な量の映画のVHS、LD、DVDが揃っていて、学生ならタダで見られるのです。山田洋次監督の「なつかしい風来坊」を、今度の映画授業の予習も兼ねて鑑賞したのですが、あまりにも良い映画だったので、分析などする余裕はなく、ただただ笑ったり泣いたりしていました。

 その後は、英語の授業が二つ続くのです。一つ目は、字幕無しで「the Practice」という弁護士ものの映画(また!)を見るだけの授業で、もう一つは英語の脚本を読んでいく授業でした。二つとも面白く、この一年間はなんとかやっていけそうじゃなと安心しました。

岡山帰省会。
毎年正月と盆に行う、OBの方との飲食会です。

 授業が全て終わった後、久しぶりに会った友達と、またあの行きつけのお店に行きました。またまたトークに花を咲かせた後、マスターとも深い話を長いことしていたので、家に着いたときには12時を過ぎていました。

 それからDVDを返しに近くのレンタルビデオ屋さんに自転車を走らせ、また他のDVDをゲットして、家に帰り、「音の今昔」という本を読んで、やっと寝に入りました。
といった風です。

 相部屋、とありましたが精義塾では1,2年生の間は先輩、後輩の相部屋となっています。寮に入る際、一番不安を覚えるところ(?)なのですが、慣れてしまえば楽しいと皆が口を揃えて言うほどです(一人部屋になった3,4年生は寂しくなって遊びにやってくる始末)。東京という岡山とは離れた土地で始めて生活するので、身近に先輩がいるということも心強いと思います(最初はたぶんまともに電車も乗れない)。部屋を出れば、みんなでご飯を食べたり、風呂に入ったり、キャッチボールしたり。東京の中で、そこは寮、というよりも家族が待っている家、そんな感じがします。

 ですが、そうやってただのんびりしてばかり暮らしているわけではありません。精義塾は、学生自治寮で、寮に関することは基本的に学生が責任を持って行っています。たとえば、会計、破損物の修繕、新入塾員の選考などです。家族、とは言いましたが、決して馴れ合いの甘ったるい関係ではないのです。お互いがお互いを律し、支えあって寮を支えているのです。

4寮対抗野球大会。
岡山県人寮が一同に会し野球で勝負!
現在精義塾4連覇中。

 以上2つ、一人暮らしとは大きく違っていて、かつ自慢できる点を挙げました。何より楽しいということ。個人個人が責任を持って仕事をこなすことで社会性が身につくこと。前者のほうが(個人的に)大きいウェイトを占めているのだと思いますが、どちらも精義塾の魅力だと確信しています。

 さて、そんな精義塾を一歩出ればそこには日本の首都である東京という街が広がっています。といっても、学生生活をしていく上で東京と、岡山に大差はないと思います。学校に行って授業を受ける、このルーチンは変わらないでしょう…ですが、決定的に違うと思うことは、「機会の多さ」です。東京には各界の著名人が多くいます。その著名人たちが、講演会を開いたり、時には大学の講義にやってきたりします(テレビ局での討論番組収録なども観れます!)。こういう機会にめぐり合えることは言うまでもなく将来にとって大きなプラスとなりえます。ですが、この機会を生かすも殺すも本人次第なので…場所に頼り切るのはよくないです。やっぱ自分のハートが大事ってことですね。

総会。毎年6月に精義塾で行われる行事で、
多数の先輩方が精義塾に来られる。

 その他、人の数も多いので、サークル等に入れば友達の数に物足りなさを感じることもなく、気の合う人も多いことだろうと思います(生活を共にする塾員同士ほど、絆の深いものはないですが)。

 このようにして、東京の学生生活と精義塾での生活をうまくマッチングさせると、この先の大きな糧になると思いますし、ぜひそうさせようと思っています。いろいろと書き並べてきましたが、最後に。僕らの生活スタイルが少しでも皆さんにお分かりいただけたら幸いです。朝日高校同窓生の皆さん、東京に進学予定のご子息にぜひ!絶対に損はさせません。



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